ロンドン五輪 男子サッカーの目標は1勝

7月11日に国立競技場で行われたU23日本vs.U23ニュージーランドの一戦。
ロンドン五輪本番前の壮行試合としては、不満の残る結果となった。
しかし、個人的には、結果云々よりも、この試合の位置づけとその戦い方のほうが遥かに疑問だった。

日本が本番で戦う相手は、スペイン、モロッコ、ホンジュラスだ。
とりわけ短期決戦の初戦、スペイン戦はグループリーグの行方を大きく左右することは言うまでもない。
また、モロッコにしても、ホンジュラスにしても、ニュージーランドよりも総合力で上回っていることは間違いない。

にもかかわらず、試合後の関塚監督の会見で話題となったのは、日本の決定力不足にほぼ絞られていた。
あれだけ攻めてシュートを撃ったにもかかわらず、なぜ1ゴールしか決められなかったのか?
クロスボールに対するゴール前の入り方、攻撃のアクセントの必要性、シュートの重要性などなど。

対戦相手のニュージーランドの監督が、「日本とは力量の差がありすぎて攻めることさえままならなかった」というコメントを残したからかもしれないが、それにしても本大会を見据えた視点は大きく欠けていた。

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相手が引いて守って、日本の猛攻をしのぐ。
A代表で言えば、ワールドカップのアジア予選でよく言われる傾向である。

しかし、A代表でもワールドカップ本番となれば、予選のようにボールを支配して攻める時間帯は激減する。
つまり、格上として戦う予選と違い、本大会では格下として戦わなければならないのが現実なのだ。

にもかかわらず、試合後に語られる課題は攻撃のことばかり。
これで、五輪本番のための課題や収穫を見つけようというのは、あまりにも無理がある。
ひょっとして、この壮行試合の目的は、日本のファンの前で日本が大勝することを見せるためだけだったのか。
もっとも、その目的も果たせなかったわけだが……。

たとえば、この試合における日本の問題は、一言でいえば、攻め急ぎ過ぎたことにある。
相手のスキルが高くないので、相手陣内でボールを奪われても、早めにプレッシャーをかければ相手はミスをしてくれる。
せいぜいクリアするのが精いっぱいといった状況だった。

だから日本は、常にボールをキープして攻めたてることが可能になった。
さらに言えば、だから最後の失点のようなパスミスが頻発したわけだ。

問題は、パスミスをしたときのそれぞれのポジショニングだった。
みんなが攻め急ぎ過ぎたため、ボランチやサイドバックのポジションが、常に攻撃に移った後の位置取りだったため、味方のミスをケアする人間が1人しかいないというのが問題なのである。
同じようなミスから生まれた場面で、大津が必死に戻ってファールで防いだ場面もあった。

そのようなシーンを見て、関塚監督は何を思ったのだろうか?
本番で、仮にホンジュラスに同じように猛攻をしかける時間帯があるかもしれないが、だとしたら、この試合中に起こったそのミスを、その場で修正できないこと自体を問題としなければいけない。

ましてスペインやモロッコに対して、日本は逆の立場になる可能性は高い。
相手がボールを支配し、日本がそれに対応しながら失点を防ぎ、少ないチャンスをものにできるかどうか。
ロンドンでのポイントは、基本的にはそこにある。

攻撃面の問題よりも、守備面の問題を整備しなければ、攻撃の問題も改善することはできない。
逆に、攻撃を修正すれば、守備も自動的に機能しはじめる。

初戦のスペイン戦の前には、メキシコと親善試合を行う関塚ジャパン。
果たして、ニュージーランド戦のポイントをどこに置いたのか。おそらく、その試合で関塚監督の力量がはっきりとするだろう。

と、ここまで書いて、五輪サッカーについてひとこと。
なでしこの強さもあって、今回は五輪サッカーを語る際に、なでしこはメダル候補だが、それに比べて男子はダメだ的な比較論が目立つようになっている。

サッカーをよく知る人は分かっているとは思うが、あえて確認すると、五輪サッカーにおける男子と女子には大きな違いがある。
女子にとっては、ある意味ワールドカップより重要視される大会として位置づけられている。
佐々木監督や選手のコメントからも、それは見て取れるだろう。

一方、男子はあくまでもU23の世界大会として位置づけられている。
IOCの要望によってアトランタからオーバーエイジ枠を設けられてステータスアップを図っているが、それでも育成的な要素は強い。

よって、個人的には男子は女子ほど結果にこだわる必要はないと思う。
勝たなければ経験できないこともあるので、勝負事は勝たなければ意味はないのは当然だが、選手たちはこの大会ですべてが終わるわけではない。

前回の北京大会で、日本は3連敗に終わったが、そのメンバーの数人は無事A代表の主軸へと成長を遂げた。
だから、見る側も、男子サッカーについてはそういう部分を考慮して観戦すべきだと思うのだ。

いちばんよくないのは、負けて必要以上にガッカリすることだ。
今回の男子サッカーは、1勝が目標でいい。いや、意外と期待しないときほど結果を残すこともあるから、選手たちにはプレッシャーを感じずにプレーして、今後につなげてほしい。



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