ひとりの市民、日本人として思うこと (上)

基本的に、ここではサッカーについてのコラムを掲載してきた。
だから、本来ならば昨日行われたチャリティマッチについて書くべきなのかもしれない。

こういう状況下で開催した日本サッカー界の行動、そしてカズのゴールシーンなど、久し振りに日本に明るいニュースを送ったことについては、メディアとしてサッカー界に関わるひとりとしても、小さな幸せを感じた時間だった。

しかし、不本意ながら、今はサッカーについて書きたいという気になれないというのが正直なところだ。
実際、昨日は大阪に赴いたわけでもなく、単にファンのひとりとしてテレビでチャリティマッチを観戦した。

もちろん、3月11日以降も、それまで通りサッカー関連の仕事も続いているわけで、実際、慌ただしく毎日を過ごしている。
しかしそんな中でも、やっぱり意識の中心は、日本を襲った今回の大災害のことになってしまうのだ。

今は、ジャーナリストというかたちでサッカーに携わる前に、一人の市民、国民として色々なことを考えている。
だから、チャリティマッチについてどういう風にコラムを書くのかを楽しみにしていてくれる人がいたとしたら、予めお詫びしておきたい。

今回は、直接サッカーにかかわるコラムではない。

だから、読んでもらっても、読んでもらわなくてもいいと思っているし、読んでいただいた人には、これは単なる一人の市民、国民が、この大災害の中で考えていることだという大前提を、予め理解していただきたいと思う。
少し長くなるかもしれないが、それ以上でもそれ以下でもないので、軽く流してもらって構わないと思っている。


僕は、日本に生まれて、日本に育ち、日本で暮らしている。だから、100%日本人だという意識を持っている。

ただ、この仕事をしているお陰で、普通の人よりも外国に行く機会が多く、その国の人と接する機会にも恵まれてきた。
これまで訪れた40ヶ国ほどの国々には、それぞれの習慣や考え方がある。
それは、サッカーと同じで、良い悪いの次元ではなく、その国、その民族のスタイルみたいなものだと思う。

そんな彼らのスタイルに触れる度に、僕は日本のそれと比較する。
そのときも日本人ではあるけれど、客観的に日本という国や日本人を見つめることができるからだ。
サッカーを伝えるときに意識していることと、まったく同じである。

今もなお続く今回の大災害の中で、そんな視点で見つめてみると、日本人の良さが出ている部分と、逆にマイナスになっている部分があると感じることがある。
もちろんこれもスタイルなので、単純に、良し悪しの問題ではない。

たとえば、日本人は指示されたことに関しては驚くほど忠実であり、周りへの配慮、助け合い精神など、世界トップレベルの団結心とそのエネルギーを発揮できる国民だ。
混乱時においても、比較的秩序を自らが保つことが出来る。節電などはその顕著な例だ。

それは、先生が言ったことを忠実に守るという学校教育の賜物なのかもしれない。
先生がAだと言えば、生徒はAと考えるが当たり前で、Bと考える生徒はあまりいない。いたとしても、Aという圧倒的多数の前に、Bという考え方がクローズアップされることはほとんどない。
それは、日本においては極めてノーマルであるし、そこに疑問を持つ者もあまりいない。

しかし、他の多くの国では違う。
もちろん数学などでは正解はひとつだが、考え方を問うときは、先生はAともBとも言わないし、生徒がA、B、あるいはCやDといった自由な意見を出すところから物事は始まる。そういう風に育っているから、大人も同じだ。

だから、それぞれが普通に自分の意見を披露して、議論が生まれる。何も意見を言わない人は、逆に不思議で信用ならぬ人だと受け止められるケースが多い。
議論の目的は結論を出すためではなく、お互いの考え方、AとかBをブラッシュアップするためのものであり、また、それぞれの考え方を理解するために存在する。

そういうスタイルの中では、なかなか日本のような秩序を作るのは難しい。
今回日本を襲ったような大災害があったら、おそらくもっと混乱しているのではないかと思ってしまうことも多々ある。

しかしその一方で、そこにはメリットもある。
色々な意見が日常に溢れているから、また自分も意見を言わないといけないから、最終的に、ひとりひとりの自己判断力は自然と磨かれる。

実際、僕も外国に行ったときは自分の意見を堂々と述べるようにしている。郷に入れば郷に従え。そうでないと、怪しい人になってしまうからだ。
そして、意見を述べるには日頃から色々な考えを持つ必要がある。だから、日本でもいつでも意見を言えるように準備する。色々な人の意見を聞き、活字を読み、映像で学ぶ。

特に自分の場合はそうでなくては原稿も書けないし、公共の電波で意見を言うこともできないわけで、サッカー以外の分野においても、ある意味そのスタンスは当然のことだと思っている。

(続く)


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