ワールドカップ南アフリカ大会で見えたサッカーのトレンドとは?

スペインの初優勝で幕を閉じた今回のワールドカップ南アフリカ大会。
フランスやイタリアといった第1シードの国がグループリーグで敗退するなど、何かとサプライズな出来事が多かったが、それも含めて今大会は実に妙な大会だったように感じる。

そして、ゴール数が少なかったことでも証明されるように、攻撃よりも守備を重要視するサッカーが目立った大会でもあった。
これについては、高地での試合が多かったことが影響しているという声もあるが、個人的にはそうではないと感じている。

もちろん今後のサッカーのトレンドをしばらく見る必要はあるが、おそらくそれはサッカーのバイオリズムのようなものではないかと思う。
つまり近年のトレンドだった攻撃的サッカーよりも、流れとしては、セオリーに則った守備を基本とするカウンターサッカー主流の時代に突入しているのかもしれない。

ただし、今大会で目に付いたこの傾向は、あくまでも代表レベルにおけるサッカーのスタイルに限ったことかもしれない。

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もはや、近年のワールドカップがサッカーにおける戦術の見本市となるような時代ではなくなっていることは周知の通りだ。
これだけクラブレベルの大会の価値が高まり、しかも最先端を行くヨーロッパサッカーの一部終始が世界中に伝わる情報化社会において、それは当然だと言える。

そんな中、活動日数の少ない代表チームの戦術をじっくり磨き上げること自体が不可能になっている今、どうしたら代表レベルで結果を残すことができるのか?
おそらく、今大会に参加した32ヶ国の監督たちも、それに対する回答を模索していたのではないだろうか。

そしてそのひとつの回答が、日常的に高いレベルでプレーしている選手をセレクトし、彼らが集まったときにすぐに馴染めるサッカーだった。つまりそれは、今大会で目立った守備からのカウンターサッカーである。

もっとも、優勝したスペインに限っては特殊な事情があった。
その特殊性とは、フィールドプレーヤー10人のうち同じバルセロナでプレーする選手が実に6人も並んでいる点である。

プジョル、ピケ、ブスケツ、シャビ、イニエスタ、そして準決勝から不調のフェルナンド・トーレスに代わってスタメンとなったペドロ。
要するに、今回のスペインは、バルセロナで外国人選手がプレーするポジションに他のクラブの優秀なスペイン人選手を当てはめたという特殊なチームだったのである。

それを踏まえれば、スペインが見せていたバルセロナスタイルのパスサッカーが、なぜ活動日数の少ない代表チームでできたのかが分かるはずだ。
デル・ボスケ監督は、特に優勝するために特別に時間をかけてチーム戦術を植え付けたわけではなく、ただ調子の良い選手の組み合わせを“微調整”すればいいだけだったのである。

そういう意味で、本来の攻撃力が影を潜めながらも、決勝トーナメントで1-0という“らしからぬサッカー”を続けて、スペインが優勝トロフィーを手にしたことは論理的だったのかもしれない。

彼らが見せたのは、攻撃サッカーでも、パスサッカーでもなかった。
スペインは、メッシら外国人選手が不在で決定力を欠いたバルセロナが、しかし守備面におけるコンビネーションだけは崩すことなく僅差で勝ち続けたのである。

各クラブの選手が一時的に集まる他の代表チームにとっては、そこがスペインに叶わない部分だった。

だからこそ、個人的には今大会のベストチームはオランダだったと思っている。
様々なクラブからトップレベルの選手が揃い、ピッチを広く使った実に機能性の高い攻撃サッカーを見せていたからだ。

因みに、決勝戦のオランダのスタメンには背番号1から11番までがきっちり並んでいたが、これこそオランダがファン・マルバイク監督の下、2年間に渡って一貫したチーム作りが行われてきたことの証なのではないだろうか。

数少ない活動日数でチームを成熟させるには、やはりチーム作りに一貫性が必要となる。背番号が綺麗に並ぶという同じ傾向にあったのは、奇しくもそのオランダに敗れたブラジルだったが、それも批判され続けたドゥンガ監督がブレることなく自分流のチーム作りを進めた結果だったと言える。

今大会のベストマッチが、その両チームによる準々決勝だったことは、そういう意味で実に理に叶っていたと思う。

いずれにしても、サッカーの進化という視点からすると、実に判断が難しい南アフリカ大会は幕を閉じた。
この傾向が、4年後のブラジル大会で続くのかどうかは分からない。

しかしながら、ただひとつ確実なのは、代表チームにおけるチーム作りの手法は、より効率的に進んでいくはずだということである。
それで考えると、もしかしたら今回のようなサプライズの数々も、いずれは当たり前になってしまう時代が来るかもしれない。


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