岡田監督が費やした約2年半と、次期監督選び

どうやら、現在日本国内では今回の日本のサプライズの余韻に浸りながらも、その一方で次期監督候補が話題となっているようだが、やはりその前に「岡田ジャパン」を改めて検証しなければいけない。
そうしなければ、次なる監督選びもつじつまが合わなくなってしまうからだ。

これまで日本代表は、ほぼ一貫性のない強化方針で時を過ごしてきた。大会直前までチーム作りがままならず、批判を浴びた岡田政権もその流れをくんでいる。
近代を遡ってみても、オフト、ファルカン、加茂=岡田、トルシエ、ジーコ、オシム、岡田と、いずれも方向性が異なった監督を強引につなぎ合わせてきた。

なぜこうなっているのかは主旨が異なるのでここでは省くが、とにかく問題なのはそれぞれのピリオドでその都度の反省をしていないから、次の監督選びが唐突なものになってしまうのである。

そういう意味で、岡田監督がこの約2年半で何をしようとしていたのかを、もう一度しっかり把握しておく必要があると思う。

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まず、オシム前監督が病に倒れたとき、日本サッカー協会は後任に岡田監督を任命した。
当時、まだワールドカップ1次予選まで時間があったことを考えると、急いで決める必要性はなかったにもかかわらず、である。

いずれにしても、そうやって急きょ就任した岡田監督は、特にオシム監督のサッカーを受け継ぐ人材だからという視点抜きで協会から指名され、チーム作りが始まった。
就任してしばらくは、岡田監督もまだ余裕があったため、メンバーはオシム時代の選手をそのまま使いながらチーム作りに着手している。

しかし1次予選のバーレーン戦(アウェイ)で敗れて以降、メンバーを大胆に変更。一般的に、ここから岡田監督の本格的なチーム作りが始まったとされているが、実際は、メンバー選考以外、岡田監督が目指すサッカーを植え付ける作業は就任直後の千葉での合宿から始まっている。

基本ポジションの考え方を度外視して、密集を作って細かいパスをつなぐサッカー。ボールを奪われた後は、近くにいる味方選手が相手につっかけてボールを奪ったり、奪えない場合でも次のプレーの精度を落とすことで、その次の段階でボールを奪い返すという考え方が守備のベースになっていた。

基本的にはアグレッシブで、攻撃的サッカーを目指していた。

ただ、岡田監督が「日本人らしいサッカー」、あるいは「コンセプト」という言葉で表現していたそのスタイルには、アジア予選や国内親善試合というレベルではその問題点があぶりだされることはなかった。

そこが、大きな問題だった。

トーナメントに駒を進めたワールドカップで、岡田監督もその点を強調したコメントを残しているので、監督本人もそれを感じているようだ。もっとも、負け続けた本大会直前でそれに気付いたのか、それとももっと以前から気付いていたのかは明言していないが。

いずれにしても、今年に入って急激にそのスタイルがほころびを見せ、結果もついてこなくなってきたことで、岡田監督自身もついにそれまで続けてきたスタイルを放棄するに至っている。

韓国に敗れて日本を出発した後、イングランドとの親善試合でその決断ははっきりと現れた。ディフェンスの整備、やり直し作業が、そのとき岡田監督が着手したことだ。
当然、イチから始めたその作業がすぐに浸透するわけもなく、結局、南アフリカ入りした後に急きょセッティングしたジンバブエ戦で、付け焼刃ながら、メンバー構成を含めた一応のかたちを固めたのだった。

そんなことだから、ピッチ上の細かい戦術の構築は、どうしても選手の力に頼ってしまうことになる。
救いは、長谷部、松井、本田ら、ヨーロッパ組がいたことだ。日頃からゾーンディフェンスの基本を実践している彼らがいたことで、連携も比較的スムーズに行ったことは間違いない。

また、日本がなぜ本大会で攻撃力がなかったのかは、守備の整備だけでいっぱいいっぱいだったため、攻撃のためのトレーニング時間がなかったからに他ならない。
つまり、今回の本大会用の戦い方は、テスト前の一夜漬けそのものだったのである。

だからこそ、今回の決勝トーナメント進出という結果だけを見て、岡田監督がやってきたチーム作りをそのまま評価してはいけないのである。
もし2年半の時間を使ってそのスタイルで一貫したチーム作りをしていれば、少なくとも、もっとそのレベルは高まっていたはずだからだ。

一夜漬けで得たものは、結局、その後のサッカーにつながらない。そしてそれは、協会の監督選びにもつながらない。
むしろ、次期監督を選ぶ際は、本大会の岡田スタイルではなく、それまで続けて失敗に終わった岡田スタイルを検証し、それを基準に方針を決めるべきなのである。

だから、大衆の盛り上がりとは別に、協会(技術委員会)は岡田政権の反省をしっかりと行ってから監督選びをしていただきたい。
焦って決めなければいけない理由は何もない。

今度こそ、本当に4年後とその先を見据えた上で、じっくり次なる監督を決めるべきである。そしてそこには、確固たる方針とそれに沿った選択の理由が必要になる。


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この記事へのコメント

2010年07月06日 20:59
貴意見に賛成です。日本サッカー協会と岡田監督はしっかり「総括」を発表すべきです。
tk
2010年07月07日 00:46
インテルchから中山さんをしって、
ついつい気になるブログ見てます。
2010年07月07日 17:29
岡田監督自身による、評価を発表して欲しい。
そこから 代表、協会、監督に必要なものを分析して欲しい。

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